私たちの歴史
はじまりは、
祖父の半地下ハウス
果樹栽培が盛んだった桃山地区で、りんご園を営んでいた祖父・後藤武男。昭和34年の伊勢湾台風により甚大な被害を受け、さらに翌年に発生した台風でりんご園は損壊しました。りんごに代わるものはないかと考えた祖父は、桃山地区で盛り上がりはじめていたサボテン栽培に着目。近隣の農家でノウハウを教えてもらい、地熱を生かせる半地下のハウスを作り、サボテンの種をまいて育てる実生栽培をはじめました。
アメリカの花卉栽培に
刺激を受けて
サボテンに情熱を注ぐ祖父の背中を見て育った父・後藤伸治もまた、サボテン栽培の道へ。浜松のサボテン農家で経験を積んだのち、農業研修でアメリカ西海岸へ渡ります。海の向こうで目にしたのは、人力に頼らない大規模な花卉(かき)栽培。一年の研修を終えて昭和51年に帰国すると、台車設備や自動潅水(かんすい)装置を備えたハウスを建て、輸出向けの接ぎ木を生産するなど、事業を広げていきました。
母に託された
父と息子の想い
ハウスを建ててほどなく、オイルショックのあおりで輸出が止まると、主軸を国内販売に切り替え、鉢物を生産し花市場へ出荷するようになりました。忙しく働いていた父は昭和62年、病のため他界。幼い3兄弟を抱えた母は、「父のサボテンを残したい」という息子の願いを知り、ハウスを受け継ぐことを決意。社会見学の受け入れ、サボテンフェアの実施など、地域とのつながりを大切にしながらサボテンを育ててきました。
サボテンの魅力を
多くの人に伝えたい
子どもたちが成長し社会人になると、長男、次男も家業を手伝うようになり、平成21年には次男・後藤容充が母から代表を受け継ぎました。これまでの小売や卸販売に加え、ネットショップの運営、食用サボテンの栽培など新規事業にも精力的に取り組んでいます。現在、当園で扱うサボテンは300種類以上。どれも個性的で面白く、楽しみ方もいろいろ。サボテンの奥深い魅力を広く発信していきたいと思っています。
わたしたちのまちを
もっと元気に
伊勢湾台風を契機に桃山地区で普及したサボテン栽培。最盛期には50軒以上の農家があり、実生栽培では出荷量全国一位を誇るようになりました。近年、後継者不足などによりサボテン農家は減少していますが、桃山地区で確立した実生栽培の高い技術を絶やすことなく次世代へ残していきたいと考えています。同じ想いをもつ地域の方々とともに、「サボテンのまち春日井」をよりいっそう盛り上げていきます。